兵庫教育大学・勝美印刷株式会社協同
Eスクエア・アドバンス
「IT活用教育推進プロジェクト」
2004/11/01
更新

◆本プロジェクトの目的
III. 研究の目的

特別支援教室での読字障害や書字障害の子どもを対象にした指導の方略や教材の提供が求められている。読字や書字に困難さのある子どもは学習意欲も低下しているため,興味関心を呼び起こし,かつ学習効果の上がる方法が必要である。その方法の一つとして読字の困難さについては,パソコンを使って,文章を読みやすくするために,音声テキストリーダー,文字拡大,文字や行の反転等の強調等の技術的な方法が摘要可能である。

しかし,書字の困難さを改善する指導を考えるとき,これまでは書字に苦手意識の強い子どもにも,紙と鉛筆という基本的な道具を使っての指導を中心に進めるしか方法はなかった。しかし,最近になって,筆跡や筆圧を感知することが可能なタブレットPCが開発されたため,こうした手書き可能なパソコンによる軽度発達障害児への新しい指導方法が注目されている。タブレットPCはペン入力を最大の特徴としており,キーボードやマウスによる入力ではなし得ない,直感的でより自然な書字に近い形での文字入力ができる。この機能を使うことで,書字に困難さのある子どもに,興味を引き出すインタラクティブな書字練習教材を提供することができると考える。
しかし、我が国では読字障害や書字障害の子どもに指導するために、こうした機器と教材を活用した指導実践は皆無のような状況である。そこで,

1)読字と書字の基礎的な力を培う指導方法をタブレットPCで検討し、教師の指導技術の向上を図る。
2)その過程で、書字障害を示す子どもの典型的な学習パタンを踏まえ、それを改善する教材を開発し教育現場での指導実践に生かす。
3)その成果や知見を特別支援教室や養護学校などで応用する方策を検討する。

Copyright©2002 Shobi Systems Co., Ltd.All Rights Reserved.